内分泌代謝内科の診療についてご紹介します。
内分泌代謝内科は、様々な内分泌腺の異常や糖尿病などの代謝性疾患を担当する内科です。内分泌腺は、特定の器官から分泌されて全身に作用する「ホルモン」と呼ばれる物質を作る臓器であり、ホルモン作用の異常によりもたらされる病気が内分泌疾患です。
私たちの診療科では、視床下部・下垂体疾患(下垂体機能低下症、先端巨大症、クッシング病、中枢性尿崩症など)、甲状腺疾患(バセドウ病、慢性甲状腺炎など)、副甲状腺・骨代謝疾患(原発性副甲状腺機能亢進症、骨粗鬆症、骨軟化症など)、副腎疾患(クッシング症候群、原発性アルドステロン症、褐色細胞腫、副腎皮質機能低下症など)といった特殊な疾患に加え、糖尿病、脂質異常症、痛風などの生活習慣病まで非常に幅広い疾患を担当しています。
たったひとつのホルモンの異常でも多くの全身症状が出現することがあり、慢性的な症状から短期間で急激に症状が増悪するものなど疾患により病像は様々です。
一般的な採血検査や尿検査に加え、ホルモンの分泌能を評価する負荷試験、シンチグラフィと呼ばれる画像検査などを行います。また病変部位の局在診断にはエコー検査やCT・MRI検査を実施しています。
食生活の欧米化と運動不足を背景に糖尿病の有病率は増加の一途を辿り、日本において糖尿病および糖尿病が強く疑われる人はすでに2000万人を越えています。40歳以上の日本人の3人に1人が糖尿病と言われています。
糖尿病の初期段階ではほとんど症状はありませんが、そのまま放置すると合併症が進行してしまいます。早期に診断し、適切な治療により合併症を予防することで、病気のない人と同じように生活することができます。
糖尿病診療では様々な診療科との連携が重要となります。糖尿病合併症の診断、治療には内科医だけではなく、眼科や皮膚科、整形外科、歯科口腔外科など多くの診療科の協力が必須であり、スムーズなチーム医療を実践できるようご協力をいただいています。
糖尿病診療の経験を有する看護師や薬剤師などのコメディカルスタッフも、糖尿病療養指導士を取得し、チーム医療の展開に貢献しています。
骨粗鬆症は骨がもろくなり、骨折しやすくなる病気です。
女性の病気と思われがちですが、糖尿病やCOPDなど様々な病気が関連することが知られています。
骨折する前に骨密度の検査をすることをおすすめいたします。
糖尿病についての正しい知識を身につけ、患者さん自身が積極的に治療に参加できるように、当院では月1回の糖尿病教育入院を開催しています。
医師や薬剤師、看護師、管理栄養士など専門のスタッフによる知識の共有、食事療法・運動療法の実施、栄養指導などを行う4日間(金曜〜月曜)の短期プログラムで、幅広い世代の方を対象としています。
入院期間を確保できない多忙な患者さんや患者家族の方には、半日プログラムの糖尿病教育外来をお勧めしています。これらの糖尿病教育入院・外来は、当院通院中の患者さんだけではなく、近隣の病院やクリニックからの参加も可能ですので、ご興味のある方は院内ポスターの連絡先や担当医師へご相談ください。
当院は糖尿病学会認定教育施設・内分泌学会専門医認定施設の認定を受けた教育機関です。患者さん中心の医療を実践するとともに、専門医の育成や大学院生・医学生の教育にも尽力しています。
地域の基幹病院として、常に先進的な医療を提供できるような体制を維持するとともに、一人ひとりの患者さんが安心して治療を継続できるよう努めています。
「今月の新患外来」に2024年11月のスケジュールを追加しました。
「2025年日本骨粗鬆症学会について」を更新しました。
「2023年度診療実績/教育・研究活動」を更新しました。